2016年11月24日木曜日

社会を変えるおカネのはなし~もっと身近に寄付と投資編~

■第二回
2016年11月20日
社会を変えるおカネのはなし~もっと身近に、寄付と投資編

この回は、午前は寄付、午後が社会的投資や金融などのお話でした。

なにか人の役に立ちたい、誰かが困っている状況に出会ったとき「私はなにもできないけれど、寄付をしたいと思います。」
と言うような行動があるけれども、それって本当に役立っているんだろうか?有効な手立てなんだろうか?

世の中にあるたくさんの社会的な問題を解決するための「行動」が「解決を導く」ことはないのでしょうか?

というようなことからこの企画が生まれました。

☆寄付編(ファシリテーター:特定非営利活動法人 特定非営利活動法人 とよなかESDネットワーク 正阿彌さん、上村さん)

午前中はのワークの始まりは参加者が輪になって
「"社会を変えるおカネ"と聞いて、思い浮かべる言葉を一つキーワードで大きく書いてください。」
ということを自己紹介と共にシェアしました。

その後、参加者は一万円を手に(疑似ですが、あくまで自分の財布からだしたと想定!!)
寄付をしてほしい三団体がどういう事業に寄付をしてほしいか実際にプレゼンテーションをし
参加者はグループでどこに寄付をするかを議論しました。

☆3団体はこんなところ(プレゼン順)
 青年海外協力隊大阪府OBOG会女子会
 特定非営利活動法人 開発教育協会(DEAR)
 すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク


一万円という寄付は、寄付をする側にとっても、寄付を受け取る側にとっても大きなお金です。
そしてそれによって社会を変えることが出来るのかという視点を持つと寄付と言う行動はやはり大きな行動だなと思いました。

私は寄付をいただく側のプレゼンテーターとして参加しましたが、寄付をいただくためには、また団体の目標を再確認できるいい機会になりました。そして疑似でも寄付を受け取り、応援していただけることは嬉しいことだなと思いました。





寄付のワーク後の議論のあとの意見として
・活動を「見える化」することによってより共感が得られるのではないか?
・自分の経験から寄付さきを決めてしまう傾向がある。
・今日は三団体だったかが、世の中には寄付を求める団体がもっとたくさんあってその中から選択するのは難しい、うその寄付などの問題もある。
・お金の使われ方の透明性に不安
・団体の認知度を上げることも必要
・ふるさと納税のしくみをつかって寄付をする制度ができればいいなと思う。
・寄付は身近にある
・一万円は寄付として大きい
・寄付団体のブランドネームに左右される
・メディアに出ている名前がインパクトある(ちゃんとしてない団体でも)
・透明性をどう見極めるか
・人によって視点は違うが、それでいい。
・寄付は感情で決定される、人の意見を聞いても寄付先がかわらなかっら。
・寄付をしたあとも団体を見守ることでお金の使い方をチェックする。
・団体の「人」を見る。
・寄付がどういう風に役立っているのかを知る機会をつくる。学びの場や参加できるかたちであればいい。

寄付をいただいた側として
・活動の見える化が大事だと思った。
・活動のモチベーションになった。
・寄付をいただいたその後の活動に参加した人や支援を受けた人の声を届ける。それをアピールする必要がある。
・社会を変えるお金にするには、もっと根本的な部分に投資することが必要。
・参加する、つながることによって変わっていくのではないか。

「寄付」という行為が世の中を変えることができるのか、どうしたら社会を変える行動につながるのか考える機会となりました。


☆投資編
(ファシリテーター:オイコクレジット・ジャパン 小吹さん)

午後は投資編ということで、自分のおカネをどこに預けている?
どんな預け先がある?ということをみんなで出し合いました。
銀行に預けるだけではなく、様々な形がありました。

その中でも銀行に預けている場合、その銀行がどのように運用しているのか?
融資先にはどのようなところがあるのか?その企業はどんなことをしてるのか?

その先には戦争であったり、ブラック企業であったり、環境破壊に加担していたり。
思わぬ部分につながっているという事実もあること。

そうならないために私たちは意志をもって社会性をもった金融機関を選ぶ必要があることがわかりました。

預貯金という形だけでなく、出資や投資という形でもお金を預ける方法があります。
自然エネルギーファンド、マイクロクレジット、NPOバンク等
そのほかにも出資と寄付が組み合わさったものなど。
社会的金融という新しい流れを知りました。
その中でも参加者からも反響のあったKIVAという取り組み
少額の支援から始められ、直接的な効果が見えそうなもので学校現場などでも活用されているようです。どんなひとがお金を受け取るか写真が見れます。

そしてフェアファイナンスという観点でも金融機関が評価されています。
http://fairfinance.jp/
日本の銀行はどうなんでしょうかぜひ見てみてください。


社会的金融を実践することで「お金の流れ」を市民の力で変えることができる
そんな流れが少しづつ広まっているようです。

その後グループワークで家族を想定して、1000万円のお金の預け先を考えました。
銀行や定期預金や株式投資、今日学んだ社会的金融への投資など
ポートフォリオを作成しました。

なかなか家族構成などによっても考え方は変わることや。性格でるよね。。。という話もありました。(笑)

小さなことでも誰かのため、自分のため、社会を変える一歩になることをみんなで考える時間となりました。

今回のレポート長くなりましたが。。。情報量満載の回でした。

次回はエシカルをテーマに開催します。

私の暮らしが⇒世界をつなぐ、社会を変える
第3回 社会を変えるおカネのはなし-エシカルなお買い物編-
日時:2017年1月29日(日曜日)10:00-16:00
会場:大阪国際交流センター
https://www.jica.go.jp/kansai/event/2016/161121_01.html

2016年11月7日月曜日

いま、もっと知ろうブラジル

2016.10月 連続セミナー ご報告】
■第1回  2016109日(日)13:0016:30  
  いま、もっと知ろうブラジル
  講師:永井しのぶさん(国際教育研究会Glocal net Shiga・甲賀市立信楽小学校)
     森 雄二郎さん(国際教育研究会Glocal net Shiga

 今年・2016年はブラジルのリオ・デ・ジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催されました。長い時差もありましたが選手の活躍を通しブラジルの一部に普段より触れられたことと思います。そんなブラジルをより深く知る機会を目指したのが今回でした。

 「ブラジルの国土は日本の何倍?」などブラジルに関するクイズを通じた「部屋の四隅」のアイスブレイクに始まりグループ内での「4つ(実際には所属・参加動機・ブラジルとのつながりの3つ)の窓」で自己紹介に進みました。意外と知っている?知らないブラジルとの遭遇から始まり会場も温まってきました。

 続いてはブラジルをテーマにした授業展開ということで、①フォトランゲージ ②モノランゲージ ③フォト・モノランゲージを体験しました。
 始めのフォトランゲージでは「これは何?」ということで日本のものにもよく似た優先座席のマークの中に「太った人」も含まれていたり、「これはブラジル?日本?」とブラジルにある日本庭園なども拝見しました。続いてのモノランゲージでは各班に1つずつブラジルの「モノ」が配られ楽しく想像したり、考えたりできました。ちなみに私の班にはマテ茶用のストローがやってきました。

次にフォトランゲージとモノランゲージの組み合わせで説明書と写真・モノが配られ説明を読んで写真とモノを組み合わせるという活動を体験しました。カカオの写真とチョコレートなど分かりやすい組み合わせからブラジル人作家の漫画冊子と褒章の写真の組み合わせなど難しいものまで5点ほどあり、意外な発見は勉強になりました。
最後に3枚の写真を各班で並べ替えてストーリーを考える活動と映像教材を通してアグロフォレストリーについて学びました。例えばコショウ1種類だけの栽培ではなくバナナやマホガニーなど数種類を同時進行で育てることで病害虫による被害を抑え、木陰ができるなど共存し易い豊かな森へ育っていく。その様子は様々なルーツを持つ人々が暮らすブラジルそのもののようにも感じられました。

10分ほど休憩を取ったあとには日系ブラジル人について、その歴史と近・現況についてうかがいました。送り出す国の「プッシュ」要因と受け入れる国の「プル」要因、そしてその当時の社会情勢によって移民が発生することを学びました。
日本人がブラジルを目指した当時は日露戦争後の不況という「プッシュ」要因、ブラジルでは奴隷解放で農園労働者が不足したという「プル」要因があったこと、戦後はブラジル国内での不況という「プッシュ」要因、日本国内で工場労働者が不足したという「プル」要因で多くの日系のかたが来日したことなどが分かりました。
その後の班での話し合いでは日本語が困難な、外国にルーツを持つ子供が在籍する小学校の先生のお話や高校の先生からはこういった子供たちは小・中を乗り越えられても高校に入るとより人生の進路が具体的になり究極的には日本か母国(か第三国?か?)の選択を迫られ「外国にもルーツがある」ことが活かされない今の日本は残念だ、というご意見をうかがいました。

 オリンピックの開催で報道が増え、より身近になるかと思われたブラジルですが実際には会場の不備などネガティブな報道のほうが多く日系のかたについては特に報道も増えることはなかったようです。なかなか日本からは注目の集まりにくいブラジル・中南米ですが視野は広く持ち続けたいものです。

    【今回のブログはマガーニャ紀子さんが担当してくださいました。】