2016年11月7日月曜日

いま、もっと知ろうブラジル

2016.10月 連続セミナー ご報告】
■第1回  2016109日(日)13:0016:30  
  いま、もっと知ろうブラジル
  講師:永井しのぶさん(国際教育研究会Glocal net Shiga・甲賀市立信楽小学校)
     森 雄二郎さん(国際教育研究会Glocal net Shiga

 今年・2016年はブラジルのリオ・デ・ジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催されました。長い時差もありましたが選手の活躍を通しブラジルの一部に普段より触れられたことと思います。そんなブラジルをより深く知る機会を目指したのが今回でした。

 「ブラジルの国土は日本の何倍?」などブラジルに関するクイズを通じた「部屋の四隅」のアイスブレイクに始まりグループ内での「4つ(実際には所属・参加動機・ブラジルとのつながりの3つ)の窓」で自己紹介に進みました。意外と知っている?知らないブラジルとの遭遇から始まり会場も温まってきました。

 続いてはブラジルをテーマにした授業展開ということで、①フォトランゲージ ②モノランゲージ ③フォト・モノランゲージを体験しました。
 始めのフォトランゲージでは「これは何?」ということで日本のものにもよく似た優先座席のマークの中に「太った人」も含まれていたり、「これはブラジル?日本?」とブラジルにある日本庭園なども拝見しました。続いてのモノランゲージでは各班に1つずつブラジルの「モノ」が配られ楽しく想像したり、考えたりできました。ちなみに私の班にはマテ茶用のストローがやってきました。

次にフォトランゲージとモノランゲージの組み合わせで説明書と写真・モノが配られ説明を読んで写真とモノを組み合わせるという活動を体験しました。カカオの写真とチョコレートなど分かりやすい組み合わせからブラジル人作家の漫画冊子と褒章の写真の組み合わせなど難しいものまで5点ほどあり、意外な発見は勉強になりました。
最後に3枚の写真を各班で並べ替えてストーリーを考える活動と映像教材を通してアグロフォレストリーについて学びました。例えばコショウ1種類だけの栽培ではなくバナナやマホガニーなど数種類を同時進行で育てることで病害虫による被害を抑え、木陰ができるなど共存し易い豊かな森へ育っていく。その様子は様々なルーツを持つ人々が暮らすブラジルそのもののようにも感じられました。

10分ほど休憩を取ったあとには日系ブラジル人について、その歴史と近・現況についてうかがいました。送り出す国の「プッシュ」要因と受け入れる国の「プル」要因、そしてその当時の社会情勢によって移民が発生することを学びました。
日本人がブラジルを目指した当時は日露戦争後の不況という「プッシュ」要因、ブラジルでは奴隷解放で農園労働者が不足したという「プル」要因があったこと、戦後はブラジル国内での不況という「プッシュ」要因、日本国内で工場労働者が不足したという「プル」要因で多くの日系のかたが来日したことなどが分かりました。
その後の班での話し合いでは日本語が困難な、外国にルーツを持つ子供が在籍する小学校の先生のお話や高校の先生からはこういった子供たちは小・中を乗り越えられても高校に入るとより人生の進路が具体的になり究極的には日本か母国(か第三国?か?)の選択を迫られ「外国にもルーツがある」ことが活かされない今の日本は残念だ、というご意見をうかがいました。

 オリンピックの開催で報道が増え、より身近になるかと思われたブラジルですが実際には会場の不備などネガティブな報道のほうが多く日系のかたについては特に報道も増えることはなかったようです。なかなか日本からは注目の集まりにくいブラジル・中南米ですが視野は広く持ち続けたいものです。

    【今回のブログはマガーニャ紀子さんが担当してくださいました。】 

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